心にぐっとくるアニメ

『秒速5センチメートル2話~コスモナウト~』ぐっとくる名セリフ

秒速5センチメートルの2話「コスモナウト」です。

2話も切なくなります。

いや、物語全体が切ないんですがね。

秒速5センチメートル

秒速5センチメートル」は新海誠監督のアニメーション映画で、「桜花抄(おうかしょう)」「コスモナウト」「秒速5センチメートル」の3部作になっています。

1話毎の話は長くなく、3話通して全部で1時間ちょっと(63分)です。

今回はその中の2話「コスモナウト」のあらすじやセリフです。

ちなみに「コスモナウト」とは、ロシア語で「宇宙飛行士」という意味だそう。

なぜ宇宙飛行士?と思いますが、新海監督は「秒速5センチメートル」以前の作品「ほしのこえ」「雲のむこう、約束の場所」も、宇宙や空を題材に描いています。

幼い頃から宇宙が好きだったようです。

また、貴樹がロケットの打ち上げを見て「それは本当に、想像も絶するくらい孤独な旅であるはずだ」とあるので、貴樹の孤独感のようなものを重ねているのかもしれません。

「コスモナウト」オープニング

コスモナウトのオープニングは、貴樹と女の人が一緒にいて、広い空の下にいます。その女性は顔が描かれていないので分かりませんが、明里なのでしょうか。

コスモナウトは高樹が高校生になっています(高校3年生かな?)。種子島に引っ越して、そこでの出来事と感情が描かれています。

舞台は種子島。登場人物は、主人公の遠野貴樹(たかき)と、同級生の澄田花苗(はなえ)です。

貴樹は弓道部で、花苗はサーフィンをする女の子。波に乗れなくなった花苗は焦っています。卒業までに貴樹に告白したいからです。

部活帰りの貴樹を自転車置き場(カブ置き場?)でこっそり待つ花苗は実に愛らしい。

 花苗が貴樹に「一緒に帰らない?」と言われたところ

もしも私に犬みたいなしっぽがあったら、きっと嬉しさを隠し切れずに、ブンブンと振ってしまったと思う。
あぁ、私は犬じゃなくてよかったなぁ、なんて、ほっとしながら思って、そういう事に、我ながらバカだなぁと飽きれて。それでも遠野君との帰り道は、幸せだった。

もう、恋する乙女の感じかわいいです!

とにかく、コスモナウトの花苗は可愛いのです。純粋なのです!

私にもこんな頃があっただろうかと、純粋だったあの頃を思い出しました。

今でも純粋ですけど?

一緒に変える途中。こう続きます。

最初から遠野君は他の男子とは、どこか、少し違っていた。
中二のその日のうちに好きになって、彼と同じ高校に行きたくて、もの凄く勉強頑張って、なんとか合格して、それでもまだ、遠野くんの姿を見るたびにもっと好きになっていってしまって、それが怖くて、毎日が苦しくて、でも会えるたびに幸せで、自分でもどうしようもなかった。

いやいやいやいや、もうどれだけ好きなんでしょう。きゅ~んとくるかわいい場面です。

私ももう、随分と大人になりましたが、しばらくこういう感情はわすれてるなぁ。

学生の頃は、そういう事でなんでも頑張れたな。って思い出しました。

いつかまた、そんな気持ちを持てるでしょうか・・・。

あと、最近では見かけるようになった「ヨーグルッペ」。昔は関東では見なかったよなぁ。とかね。宮崎の友達が「ヨーグルッペ飲みたい」とか言ってたけど、これだったか。とかね。

そういうところも楽しめます。

遠野くんは、時々誰かにメールを打っていていて、そのたびに私は、それが私宛のメールだったらいいのにって、どうしても、いつも、思ってしまう。

高樹の大人びた感じと、花苗の恋心が混ざって、明るく楽しい気持ちよりも切なさや苦しさが伝わるシーンです。

だって貴樹の目が座ってるから・・・(-_-)

最初は高樹の座っている眼は、何かを諦めたように感じていましたが、もしかしたら花苗の気持ちを知っていて、それに答えられないからなのかも。とも。

花苗の悩みと貴樹の思い

進路の希望を書いてないのは花苗だけで呼び出されてしまいます。

お姉ちゃんにねだって始めたサーフィンも、一番大切だと思うあの人のことも、私はまだ、全然・・・。

進路、サーフィン、貴樹、といった悩みを抱えている花苗。

遠野くんがいる場所に来ると、胸の奥が、少し、苦しくなる。

丘の上にいる貴樹を見つける花苗ですが、そんな花苗にむかって貴樹が言うセリフ

貴樹:澄田。どうしたの、よく分かったね。
花苗:遠野くんの単車があったから、来ちゃった。イイ?
貴樹:うん。そっか。うれしいよ。今日は単車置き場で会えなかったからさ。

いつもの会話なんだろうけど、勘違いをされてもおかしくない貴樹のセリフである。

もしかしたら避けたのでは?などと深読みしてしまいそうになる場面ですが、そうではないだろうな。中2から高3まで一緒だから、日常のことなんだろうとも思う。

彼は優しい。ときどき、泣いてしまいそうになる。

おそらく、その言葉に深い意味はないであろうと分かっている花苗。近くで見ているから分かるのかもね。

花苗は純粋でかわいいけど、やっぱり切なくなります。

花苗:ねぇ、遠野くんは受験?
貴樹:うん。東京の大学受ける
花苗:東京・・・。そっか、そうだと思ったんだ。
貴樹:どうして?
花苗:遠くに行きたそうだもん。なんとなく。
貴樹:澄田は?
花苗:あたし、明日のこともよく分からないんだよね。
貴樹:多分、誰だってそうだよ。
花苗:うそ!?遠野くんも?
貴樹:もちろん。
花苗:全然迷いなんてないように見える。
貴樹:まさか。迷ってばかりなんだ。俺。できることを何でもやってるだけ。余裕ないんだ。
花苗:そっか。そうなんだ。

ここは、近くで見ていても分からなかったこと。

貴樹も迷っていることに安心したかのような花苗の最後のセリフ「そっか。そうなんだ」ですが、この時点で貴樹と花苗にはかなり温度差があります。

「明日のこともよく分からない」という事は一緒だとしても、貴樹の迷いと花苗の迷いは種類が違うという事。

貴樹の迷いはおそらく抽象的で、自分が強くなるためだったり一人で広い世界に行くという大きい範囲。

それに比べて花苗の悩みは、進路、サーフィン、貴樹、といった具体的なもので、大きいというよりも目の前の事。

こういった感覚的な差が明里とは違い、貴樹が完全に心を開かない所なのかもしれない。と思ったり。

いっぽう花苗は、貴樹も自分と同じように分からないという事を嬉しく思っているのかな。「決めたの。一つずつ出来ることからやるの」と言っています。

ロケットを見た貴樹

ロケットが運ばれていくところを見て「すごい」と言う貴樹。それに対し、花苗のセリフ。

時速キロなんだって。南種子の打ち上げ場まで。

「時速5キロ」という言葉に、思い出したようにハッとする貴樹です。

それは本当に、想像も絶するくらい孤独な旅であるはずだ。本当の暗闇の中をただひたむきに、一つの水素原子にさえ、めったに出会う事なく、ただただ深淵にあるはずと信じる世界の秘密に近づきたい一心で。
僕たちはそうやって、どこまで行くのだろう。
どこまで行けるのだろう。

高樹はやはり大人子どもである。冷静。

種子島で、ロケットの打ち上げが行われようとしてる部分です。

高校の頃にロケットなんて見たら絶対そんな風に思わなかったよな。「すげぇっ!」って大騒ぎするだけです。

このシーンではオープニングと同じく、貴樹と女の人が一緒にいて、広い空の下にいる場面が描かれています。

これは明里なんだな。きっと。って思ってたんですが、そうじゃなかった。

それは、部屋で一人、携帯に文字を打ち込む貴樹のシーンで分かります。その携帯に打ち込んだ文字。

宛先:未入力
件名:今朝の夢
異星の草原をいつもの少女と歩く。いつものように顔は見えない。空気はどこか懐かし

「保存をしますか?」で「いいえ」を選択する貴樹ですが、この広い空の下にいる場面は貴樹の夢だったんですね。

貴樹がなんだか懐かしいと思っている女の子は、明里かもしれませんが、それを貴樹は、顔が見えないけど懐かしい女の子として捉えているという事。

だからつまり、それまでは明里に依存しているのかと思っていたんですが、そうじゃないのかもしれない。「時速5キロ」という言葉に、つい思い出したような感じも、いつもいつも明里のことを考えているわけじゃなかったんだ。と感じました。

出す宛てのないメールを打つ癖がついたのは、いつからだろう。

いつの間にか途絶えた明里との文通。

新海監督がのちに、「貴樹は明里のことばかり考えているわけではない」というようなことを言っています。

そのメールが本当にクセになっていると思うと、貴樹の孤独感を感じますね。

告白しようとする花苗とそれについて貴樹のこと

サーフィンで並の乗れた花苗は、貴樹に告白しようとしています。

私だって、今日こそ遠野くんに告白するんだ。
波に乗れた今日言わなければ、この先もきっと、ずっと言えない。

単車置き場で貴樹を待つ花苗ですが、不安な顔つきになります。そんなところを貴樹に見つかり、一緒に変える2人。

貴樹を見てはためらう花苗。そんな花苗を見る貴樹の目は座ってる・・・(;・∀・)

これは映画ではなく、小説や漫画を見ると分かる部分ですが、「何も言うな」という貴樹の目。

花苗の気持ちには気づいている貴樹ですが、何もできない自分には荷が重かったのでしょうか。

その後、花苗のバイクが壊れてしまい、一緒に歩いて帰る2人。花苗は泣き出してしまいます。

お願いだから、もう、私に、優しくしないで。

と花苗は心の中で言います。

その瞬間に打ち上がるロケット。

この後、かなえの思いがまた切ない。

ロケット打ち上げの後の花苗

帰り道に、多分告白しようとしてできなかったシーン。「させてもらえなかった」とも言えますが。

必死にただやみくもに空に手を伸ばして、あんなに大きなかたまりを打ち上げて、気の遠くなるくらい向こうにある何かを見つめて。
遠野くんが他の人と違って見える理由が、少しだけ分かった気がした。
そして同時に、遠野くんは私を見てなんていないという事も、私ははっきりと気づいた。
だからその日、私は遠野くんに何も言えなかった。
遠野くんは優しいけれど、とても優しいけれど、でも、遠野くんはいつも、私のずっと向こう、もっと、ずっと遠くの何かを見ている。
私が遠野くんに望むことは、きっと叶わない。それでも、それでも私は、遠野くんの事を、きっと明日も明後日もその先も、やっぱりどうしようもなく好きなんだと思う。
遠野くんのことだけを思いながら、泣きながら、私は眠った。

貴樹も自分と同じように、分からないことがあることを「一緒」と感じてた花苗ですが、それは自分が感じていた迷いとは別で大きいものだった。と分かったようなセリフです。

わかってた。でも、確信した。そんな感じも伝わってきます。

高校ではないけれど、中学の頃バレンタインの日に好きだった先輩に手紙付きで渡した事があります。

〝卒業してもずっと好きです”と、こっ恥ずかしい事を書いた事を思い出しました。

思い出すだけで恥ずかしい(/ω\)

優しさは罪ですね。それでも優しさに惹かれてしまう事もありますが。

そうやって、大人になっていくんですかね。

まとめ

花苗の気持ちが主に取り上げられていますが、ここでの貴樹の孤独感。

これは、どういった孤独感なんだろう。友達もいるし部活もしている。ただ、一人で物思いにふけるようなシーンは多少ある。

自分は強くなりたい、大人になりたい、そう言った感傷的な部分を自分の中に隠しているという孤独感なのかもしれません。

2話「コスモナウト」でも細かい部分が楽しめます。

種子島の海やロケットの運ぶシーンなども描かれていて、私はこの映画を見たあと、種子島のロケット打ち上げの予定を調べてしまいました。

「秒速5センチメートル」漫画・小説

「秒速5センチメートル」は、漫画は巻で完結。小説も出てます。

映画を見ても良く分からなかったなぁ。という人は、漫画や小説を読んでみると納得していただけると。私は思います。

秒速5センチメートルが見られる動画配信

「秒速5センチメートル」は、多くの動画配信で取り扱っています。

新海誠監督作品のすべてを取り扱っているところもほとんどだと思います。

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