心にぐっとくる漫画

ぐっとくる『佐藤秀峰~ブラックジャックによろしく~』

心にぐっとくる漫画1

ブラックジャックによろしくは、私はドラマを先に見ました。

妻夫木聡さんのドラマも良かった。

そのあとに漫画を読んだんですが、違和感なく読めました。

漫画を知っていて、ドラマや映画を見ると「あれ?なんか漫画と違う」と思ってしまいますが、映像から先の方が漫画は入りやすいかも。

ブラックジャックによろしくの無料化

もちろん、ご存知の方もいらっしゃると思います。

いや、むしろ、何言ってんだ!そんな事今更!って方の方が多いと思われますが、

なんと全巻無料公開してるんです!

著者の佐藤秀峰さんは著者権を放棄し二次使用のフリー化をしたんですね。

これは、前代未聞なのではないでしょうか。

(※現在全巻無料化はしてないようです。)

何回泣いたことでしょう。

研修医として、人間としての成長。悩み、葛藤し、それぞれの立場、意志、社会とのしがらみ。
様々な思いが詰まった作品です。

名言バンバンでてきます。

心にぐっときます。

ぐぐぐっときます。

~当直のバイト~

僕は・・・
汚い大人になんかなりたくない・・・
BY 斉藤

最初の方です。

当直のバイトで医者の本質を見せつけられて発した言葉です。

若い頃は、夢や希望がきれいだった。

いやあ、思い出します。。。

オレもかみついた事があるんだよ・・・
あんたのやり方は間違ってる・・・
医者は金儲けの道具じゃない・・・って院長に・・・
今でも正しくないと思ってる・・・
だけどよ・・・
正しいって事で自己満足しても何もかわらねえ・・・
あの人は命を救い続けてる・・・それは事実なんだ
BY 牛田先生

当直のバイトで知り合った牛田先生。

正論です。夢だけじゃ人は助けられない。

いや、命に関わる仕事をした事はないですが、「売り上げてないやつが文句ばっかり」。

下っ端の時はそう思われてのかな。

 

~第一内科~

手術の”ウデ”は医者が多すぎたら鈍くなるんだよ・・・
   ~省略~
自分達より優秀な人間がいるなんて想像すらしないんだよ
だから”一流”はアブナイのよ
BY 赤城さん

赤城さんクールでいいですよね。周りの見えてる大人。かっこいい。

赤城山は看護師さん。

看護師さんの知り合いが何人かいますが、みんなクール。

クールというか、心を読まれてるような感じがします。

明るくてムードメーカーなんだろうな。という子もいれば、大人で余計なことは言わないような人もいる。

みんなに共通してるのは芯があるってことかな。そのぐらい看護師さんは尊敬する。
 

俺は今まで・・・何千もの手術をやってきた
年250回・・・週に5日もやるんだ
振り切るものは振り切らんと次へは進めない
いつもの歌をいつもの様に歌おうとした・・・
どうしても・・・歌えなかった・・・
BY 北三郎先生

自分の心の中のコップの中の水が、ある日こぼれてしまった北先生。

北三郎先生は心臓外科医で、斉藤が助けたい患者がいると手術を頼みに行く先生。

医者と患者の信頼関係がしっかりできていなければ・・・その笑顔はどこかぎこちない・・・
逆に 真の信頼関係を築けた時・・・患者は最高の笑顔を見せてくれる
俺があれ程自分と向き合えたのは・・・
本当はあの笑顔が見たかったかもしれない・・・
信頼・・・
信頼・・・
BY 北三郎先生

お金や名誉や、そんな事じゃなかったんだと。

昔オーストラリアで修行していた時に北先生が思ったこと。

己に・・・克(か)て・・・
BY 北三郎先生

かっこいい!

信頼されているのに自身がないから断る。

しかし、北先生が再びメスをとるシーンです。

乗り越えろ・・・
誰もが不安を押し殺し・・・恐怖と闘っている・・・
乗り越えろ・・・
BY 北三郎先生

北先生!熱いです!!

北三郎先生は若くないんです。その年齢にして自分と闘う。かっこいいな~。

歳を取ると、諦めることって多くなると思うんです。

もちろんそうじゃない人もたくさんいますが、私自身10代や20代の頃に比べて、闘わなくなったな。と思ってしまいます。

そいう場面が減ってきたってのもある。

だからこそ入り込んでんでしまう回でした。

 もう、たまんないです。

 

~道場君とのくだり~

道場くん・・・医者はくだらないかい・・・?
たとえ医者の世界に失望したとしても・・・
人の命を救うのはくだらない事かい・・・?
僕はこのままじゃ嫌だ・・・だから闘ってやる・・・
理屈なんてどうでもいい・・・自分の感情を信じる
僕は・・・医者が好きなんだ!!
BY 斉藤

同僚の道場君が、大学病院から逃げ出すところです。

道場君も研修医なんですが、大学病院からの扱いでストレスを感じ逃げだします。

逃げ出した道場君を説得に行った斎藤のセリフです。

逃げ場なんて・・・どこにもない・・・
医者って一体・・・何だ・・・?
   ~省略~
病気やケガを治すことだけが・・・医者が患者にできる何かじゃない・・・
命を救うだとか・・・最先端の研究だとか・・・そんな事だけが医者の仕事じゃない・・・
何十年も一人の患者を診続ける事だって・・・
死にゆく患者を看取ることだって・・・手を合わせる事だって・・・
ただ・・・医者でい続ける事だって・・・
立ち止まるな!!
BY 斉藤

強いですね。斉藤先生は。

自分との葛藤にちゃんと答えを見つけ出してる。

見つけてるというか。正しいかどうか分からないけれど、進むしかないと。

立ち止まるな!!って感じですかね。

止まってんな~~。私。

 

~NICU(新生児集中治療室)~

誰だっておみくじで大凶引いたら認めたくないでしょ?
大凶って決めてかかれば大凶にしかならないのよ
本当は無限の可能性があるのに・・・
BY 皆川さん

皆川さんは新生児集中治療室の看護師さん。

ちょっとだけ関係のない話。見方の問題ですが。

私は、大凶がでたらラッキーと思うんです。

だっていま、大凶なんて入ってるおみくじ少ないですからね。(失礼しました)

考えてみりゃ 子供を産むなんて
ぶっちゃけて言えばリスクを負う事なんだからよ・・・
ウチみたいに4人もいたらとんでもねー奴が出てこんとも限らんぜ
どんなヤクザ者になろうと・・・どんな犯罪者になろうと・・・
全部引き受けるって事が子供を産むって事だ・・・
リスクを負う覚悟がないのなら・・・子供なんて作っちゃいけねえのさ・・・
理屈じゃそうだろ?
要は理屈じゃ子供は産めねえんだよ
BY 高砂先生

高砂先生は新生児集中治療室の医師で、斉藤の指導員。

なぜかオムツかぶってるんですよ。

そして4人の子持ちです。

バカはあんた達よ
立ち向かう勇気すらないんなら・・・何も言う資格はないわ
BY 赤城

やっぱりかっこいい!

でも、言ってる人間はいっぱいいますよね。

むしろ、その方が多いですよ。

あなたは・・・自分を不完全だと思っていませんか・・・?
自分が不完全だから・・・完全を求める・・・
そんな考え・・・間違ってると思いませんか・・・?
人間に完全も不完全もない・・・
もしもあなたが社会に差別を受けたなら・・・そんな社会に屈服する必要はない・・・
田辺さん まずは自分を肯定してください
BY 高砂先生

高砂先生の優しさが伝わってきます。

生まれてきた子供がダウン症で、「なぜ生ませた」と言っている父親に対して言うセリフ。

 オムツかぶりながら、熱いです。

僕たちにできる事は・・・患者を救う努力だけです・・・
生死の決定権なんて・・・医者になんかない!!
BY 斉藤

未熟児だからと言って障害が残るわけではない。

親が責任を感じてしまう。放棄してしまう。

命の重さについて考えさせられる回でした。

 

~小児科~

受け入れは物理的に不可能でした・・・
努力や根性で解決できる世界じゃない・・・
要するに君は・・・
自分がそんな事に加担したと思いたくないだけじゃないですか・・・?
僕を否定することで自分を正当化するなら・・・
それはただの自己満足です・・・
BY 安富先生

安富先生は小児科の前髪ぱっつんおかっぱの医師。

小児科はいつも忙しく、忙しさのあまり救急を受け入れる事ができず斉藤に言ったセリフです。

努力や根性か、、、。自分だけとの闘いとはまた違う世界。深いです。

僕がやらなきゃ・・・誰がやるんですか・・・?

斉藤に「小児科医を続ける理由は何ですか?」と聞かれたときの安富先生のセリフ。

安富先生。ごもっともです。

でも、安富先生はあまり子供が好きではないということ。

もはや、仕事だからとか、好きだ嫌いだのレベルではない。

私はだったら逃げちゃうな。

若い頃は「私がやらなきゃっ」っていう気持ちは強かったともうけど、

もちろん、そういう気持ちも忘れているわけではないけど、

最近思うんだよな~。「自分がいなくても世界は回る」って。

だからダメなのかな。弱いのかな。

 

~第4外科~

がんを扱う科です。

命を救う事だけが・・・医者の仕事でしょうか?
BY 宇佐美先生

価値観は一つじゃない・・・だが真実は一つだ・・・
BY 宇佐美先生

宇佐美先生は、抗がん剤の使用をしない医師で、抗がん剤治療に反対している宇佐美先生のセリフです。

深い。

私の叔父もがんだったけど、抗がん剤でどんどん痩せて行ってました。

髪の毛もかなり抜けていた。

別の叔父もがんになって、最近考える機会が増えました。

自分だったらどうするか。どうしたいか。

諦めろ・・・希望があるから・・・人は苦しむ・・・
すべてをあきらめれば・・・悩む必要はないんだ・・・ もしも半年の寿命が2年に伸びたのなら・・・
その2年は本人にとってどれほどの意味があったのだろう・・・
僕には分からない・・・
だって・・・僕は他人だから
BY 斉藤

延命治療とは何かを問う場面です。

病院へ行こう2の小泉今日子さんを思い出してしまった。

そこでも延命をするかしないかという話だったと記憶していますが・・・難しいね。

正解はないようです。

楽しいって何だっけ・・・?
悲しいって何だっけ・・・?
涙って・・・どうしたら流れるんだっけ・・・?
BY 斉藤

斉藤英二郎が少しづつ変わっていく所です。

自分のやってた事は正しくなかったのか、自分のやってきた事は間違ってたのか。

感情がなくなっていく。

医者や看護師ではないけど、仕事が忙しくて感情がなくなっていく感覚は私にもありました。

感情が分からなくなるとお腹が減らなくなる。水も欲しいと思わなくなる。

私今何で笑ってるんだっけ?ってふと思う。

なので、感情移入して読んでしまいました。

死は・・・敗北なのでしょうか・・・?
生き延びることが勝利で・・・死ぬ事が負けだとしたら・・・
人間は・・・負ける事しかできない生き物なのでしょうか・・・?
BY 宇佐美

すごく重い話題です。

生とは。死とは。きっとその立場になっても答えなんて見つからない物なのでは。と。

ねえ あなた 絶望ってすごいのね・・・私 知らなかった・・・
絶望ってもっと・・・暗くて色のないものだと思ってた・・・
まぶしいのね・・・
絶望って・・・いつもの景色をまぶしく見せるのね・・・
BY 辻本さん

辻本さんは主婦で、がんの患者さんです。

がんが見つかり手術をするものの、どんどん進行していってしまいます。

江国香織さんの「ウエハースの椅子」でも絶望について描かれていますが、絶望とは重いものではないのか?と思うようになりました。

 

~精神科~

小沢さん・・・僕はあなたとどう接していいかまだよく分かりません・・・
僕は今まであなたを”かわいそう”だと思ってたのかもしれないし・・・
あなたを”守ろう”としていたのかもしれません・・・
だけど僕は医者で・・・あなたは患者です・・・
だとしたら僕にできる事はひとつです・・・
あなたと・・・正面から向き合わせてください・・・!!
BY 斉藤

精神患者に対して本音で話す。斉藤先生らしいセリフです。

自分だったらできるだろうか。

患者は病院に飼われた羊でもなければ・・・
社会に出すと危険な狼でもありません・・・
病気を持った・・・人間です
BY 伊勢谷先生

偏見だとか、差別だとか、そういう話題になってしまうんですが。

伊勢谷先生の精神科医になったこ頃の話が出てくるんですが、変えたかったんですよ。

昨日見てる風景と、今日見てる風景は同じかもしれないけど、10年前とは違う。と。

静かに熱い先生です。

終わらせない・・・まだ始まってもいないのだから・・・
燃え上れ・・・もっと強く熱く・・・燃え上れ・・・
遠くからでも見えるように大きく・・・
BY 門脇(新聞記者)

医者ではないですが、やはり熱い志のある新聞記者さん。

自分の記事で世界を変えたい。

斉藤が研修に来たときに、生地をかくために患者と偽って病棟にいます。

穴の底から見えるものは光だけだった・・・だから僕は登ったんだ・・・
だけどそこには何もなかった・・・だけど僕は思ったんだ・・・
僕は自由だ
僕が全部壊してやる・・・僕が全部創ってやる・・・
止まってたまるか・・・
止まってたまるか・・・
BY 斉藤

これは最終の方セリフ。

かなり大学病院という場所に疑問を持ったのか、システムに疑問を持ったのか、壊してやるはすごいです。

ただ、その熱意で人は進めるのかもしれない。

人生はまだまだ続くんです。

人はいくつになっても成長していく。

いくつになっても思い悩み、日々葛藤し、進んでいく。

そんな風に思う作品です。

そして、考えさせられる漫画です。

「ブラックジャックによろしく」コミックス・電子書籍・立ち読み

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