心にぐっとくるアニメ

『秒速5センチメートル3話』ぐっとくる名セリフ

心にぐっとくるアニメ

秒速5センチメートルの3話です。

私はこの3話で、自分の置かれていた情景と重ねてしまい、暗い気持ちになりました。

そして、言葉にできなかったそのことを代弁してくれているような感じがして、暗い気持ちになるのにスッキリした感覚になりました。

秒速5センチメートル

秒速5センチメートル」は新海誠監督のアニメーション映画で、「桜花抄(おうかしょう)」「コスモナウト」「秒速5センチメートル」の3部作になっています。

1話毎の話は長くなく、3話通して全部で1時間ちょっと(63分)です。

今回はその中の3話の「秒速5センチメートル」のあらすじやセリフです。

秒速5センチメートルの意味は、1話の「「桜花抄(おうかしょう)」でもありましたが、桜が落ちるスピードです。

1話の「「桜花抄(おうかしょう)」では、桜の季節から始まる冬になり、2話の「コスモナウト」は夏から秋にかけて描かれています。

3話ではまた桜の季節に戻るわけですが、季節を通りこし成長していますね。これがキャッチコピーの「どれほどの速さで生きれば、きみにまた会えるのか。」なのだろうか。

「秒速5センチメートル」オープニング

家で仕事をしている貴樹。桜の花びらが部屋に舞い込んできて、外に出て行く貴樹。それは子供の頃に明里と2人でよくいた学校の通学路。

そして、踏切である女性とすれ違います。

今、振り返れば、きっとあの人も振り返ると思う。
強く、感じた。

振り返ろうとした瞬間、2人の間を遮るように走る小田急線。

これは、最後のシーンへと繋がります。分かりずらいですが、桜の季節から少し戻って冬になります。

雪の中鳴る携帯電話。貴樹は電話には出ません。相手はロングヘアでメガネをかけた女性。

最初は明里かな?と思いましたが、その後すぐに明里が出てくるので、相手は別の人。

大人になった明里

明里は両親に見送られ駅にいます。中学生の頃、貴樹が会いに行った駅です。

「来月には式で会うんだから、そんなに心配しないで」と両親に言っているので、結婚することが分かります。

夕べ、昔の夢を見た。
私も彼も、まだ子供だった。
きっと、昨日見つけた手紙のせいだ。

もしかして、貴樹と結婚?と思わせといて、別の人です。

いっぽう貴樹

メールが入り、その内容は

「こんにちは遠野くん。ちょっとお久しぶりですね。お元気ですか?
ずいぶん迷ったのですけれど、やっぱり私は遠のくんに伝えなければいけないことがあります。」

メールを打った女性は、ロングヘアでメガネの女性。

この辺は映画では描かれていません。なのでけっこう分かりずらい部分ですね。

小説や漫画では細かく描かれていますが、3年付き合っている水野理沙という女性です。

一人暮らしをしている高樹

少し散らかった部屋の中。

ただ、生活をしているだけで、悲しみはそこここのに積もる。日に干したシーツにも、洗面所のハブラシにも、携帯電話の履歴にも。

私は何だか、はっとしてしまいました。

そうか、あれは悲しみなのか。と。見方で悲しみにもなるのか。と。

中原中也の「汚れちまった悲しみに」の世界観だわ。

そうなると、本の黄ばみやパソコンの埃や、ぬいぐるみのクタっとしたのや。。。今、私の部屋中が悲しみだらけだな。

見方によっては、怒りにも、笑いにもなりますけどね。

「なんで埃溜まってんだよ!」とか「あのぬいぐるみ、空気抜けて変な顔になってる( ´艸`)」とか。

そう思うと、貴樹の生活が少し切なくなります。

悲しもの中で生活をしているのかな。と思わされます。

高樹の心情

あなたの事は今でも好きです。と。三年間付き合った女性はメールに書いていた。でも、私たちはきっと1000回もメールをやり取りして、多分、心は一センチくらいしか近づけませんでした。と。

この数年間、とにかく前に進みたくて、届かない物に手を触れたくて、それが具体的に何を指すのかも、ほとんど脅迫的とも言える様なその思いが、どこから湧いてくるのかもわからずに僕はただ働き続け、気づけば、日々弾力を失っていく心が、ひたすら辛かった。
そしてある朝、かつてあれ程までに真剣で切実だった思いが、きれいに失われている事に僕は気づき、もう限界だと知った時、会社を辞めた。

この場面も、小説や漫画ではもう少し細かく描いてあります。

わたしこれ、自分に重ねて車の中で見ていて泣きそうになりました。

ぐッときました。

激務は人の心を壊しますね。

映像では仕事の風景なので「真剣で切実だった思い」というのは、夢や希望といった高樹の心情だと思う。

今までクールな貴樹でしたが、ちゃんと、熱くなれると分かった流れでした。

最後に、貴樹と明里のセリフ

貴樹:昨日夢を見た。
明里:ずっと昔に夢。
貴樹:その夢の中では、僕たちはまだ13歳で、
明里:そこは一面の雪に覆われた広い田園で、
貴樹:人家の明かりはずっと遠くにまばらに見えるだけで、
明里:降り積もる深雪には、私達の歩いてきた足跡しかなかった。そうやって
貴樹:いつかまた、一緒に桜を見ることが出来ると
明里:私も彼も、何の迷いもなく
貴樹:そう思っていた。

切ない。実に切ない。

あの頃、今、時の流れ、人の気持ち、自分の気持ち、変わるもの、変わらないもの、変わってしまうもの。

秒速5センチメートルのキャッチコピー

「どれほどの速さで生きれば、きみにまた会えるか」

最後に繋がりました。

それにしても貴樹、思いすぎ。引きずり過ぎ。暗すぎ。

子どもの頃の思いって、けっこう強烈に残っていることもありますよね。

毎日そのことを思っているわけではないですが、あるときふと思い出してしまうことがあります。

高樹にとっては明里への思いは、そういったものだったのかな。引きずっていたのは、「彼女を守れるだけの力が欲しいと強く思った」という、明里への思いじゃなくて、自分の力の無さだったのかな。

というのは私の見解。

山崎まさよしさんの曲も泣けてしまいます。

「秒速5センチメートル」漫画・小説

「秒速5センチメートル」は、漫画は巻で完結。小説も出てます。

映画を見ても良く分からなかったなぁ。という人は、漫画や小説を読んでみると納得していただけると。私は思います。

秒速5センチメートルが見られる動画配信

「秒速5センチメートル」は、多くの動画配信で取り扱っています。

新海誠監督作品のすべてを取り扱っているところもほとんどだと思います。

・Amazonプライムビデオ
・hulu
・Netflix
・dTV
など

YouTubeやGooglePlayからでも購入が可能です。