心にぐっとくる本

『ゲッツ板谷~板谷バカ三代』が面白くてぐっとくる

こころにぐっとくる本

これはヤバいです!!

前回書きました「匂いをかがれる かぐや姫」や「背面ストライプの浦島太郎」より前になるんですが、

電車の中で読んでで、笑いすぎて、初めて周りから白い目で見られた作品です。

板谷バカ三代

斉藤孝さんの「上機嫌の作法」で、斉藤先生が紹介してたので読んでみたんです。

出会ってから10年以上たつんですが、その間に何冊同じ本を買ったか!!?

面白すぎて留学先にも持っていき、「何これ!?誰?おもしろい!!」と言われ、日本人の友人にゆずり、帰国後再購入。さらに、就職先の人達にもゆずりました。

「そうか、こんなに喜ばれるのか」

と思った私は、何かのプレゼントにこの本を送るようになり、もう10冊以上買ったでしょうか。

そんな「板谷バカ三代」の内容は、著者、ゲッツ板谷さんの家族の話なんです。

その題名の通り、初代、二代目、三代目とあります。

初代:板谷さんの祖母(バアさん)
二代目:板谷さんの父(ケンちゃん)
三代目;板谷さんの弟(セージ)

基本的には、この三人によるバカっぷりをいたすら書いてあるんですが、「こんな家族本当にいんのか!?」という作品。

読んでて爆笑。間違いないです。

初代バアさん

読んでいてもかなりファンキーなおばあさんだという事がわかります。

文章と一緒に色々な写真も掲載されているんですが、息子の変な格好を無視しているのは最高です。

特徴1:鬼のような見栄っ張り

オレが政治家の秘書。妹は料理学校の校長(ホントは、ただの講師)。弟のセージにいたっては、パリデで日本の冷蔵庫を売っていることになっており、早い話、奴の存在自体が完全に抹消されているのだ。
で、そんな現実離れした話をオフクロのパンティストッキングをかぶりながらしているので、さらに説得力がない。

オフクロのパンティストッキングをかぶった板谷家のおばあさんの写真が載っていますが、全く変な様子はないんです。

ストッキング以外は。

人は見かけじゃ判断できない。見た目は普通のおばあさん。

特徴2:食に対してアナーキー

ウチのバアさんの一日はコーンフレークに養命酒をかけた朝食から始まる。で、昼くらいになるとジイさんに、やれ「車エビ買ってこい!」、やれ「鯛の切り身を買って来い!」と近くのスーパーにパシらせる。そして、そんな高価な食材を3~4日外に干してフリカケを作ってしまうのである。
現在、ウチの食料棚や収納庫には、冗談抜きでバアさんが作ったフリカケがドラム缶一本分ぐらいある・・・。
また、バアさんはオレの友達が遊びに来ると、サイ牛と命名したサイダーと牛乳を混ぜたモノを必ず出してくる。一度、「そんなモノは出さないでくれ!」と本気で注意したら、ネーミングを「牛ダー」に変えてまた出してきた。

サイ牛は、「板谷バカ三代」を読んでいた友達の間でかなり流行りました。

流行ったというのは作ったという事ではなく、白い飲み物を見ると「サイ牛」と言っていた。

フリードリンクがあるファミレスで、「あ、私サイ牛ね」と。

もちろん、カルピスとかアンバサなんですが。ちょっと流行った。

特徴3:衰え知らずのタフネス

現在でも6~7キロ離れた親戚の家まで平気で歩いて往復し、先日、ウチで飼っている体調1メートル50センチもある犬を散歩に連れ出した時はド肝を抜かれた。
バアさんは、ウチから15キロ近く離れた羽村市というところまで犬を歩かせ、戻ってきた時には犬の方がバテて吐いていた。

「板谷バカ三代」の本の中では、ばあさんは89歳と記載されています。

あとあと犬の写真も出てくるんですが、おそらく立ち上がったらばあさんより大きそうな犬。

家族も面白いし、文章も面白いし、そこに写真が入ってくるのも見のがせないポイントです。

二代目ケンちゃん

ケンちゃんはばあさんの息子です。で、著者の板谷さんの父親。

もしかしたらこの本の主人こうかもしれない。というくらいのエピソード量です。

特徴1:気が遠くなるほどマジメ

18の時から某自動車会社に勤務し、それから60歳の定年までの42年間を無遅刻無欠勤。しかも有給などは一度も使ったことがなく、朝の8時半が始業というのに必ず6時半には工場に着くようにしていた。理由は、人間というのは目を覚ましてから3時間くらい経たないと頭も体も100%動かない。だから、その時間へ工場へ行き、会社で飼ってるウサギに毎日違う名前をつけたり、木の幹に相撲のテッポウをしたりしてウォーミングアップを図っていたらしい。

まじめと書かれているのに、しょっぱなのページの写真がブルースリーの衣装を着てかつらをかぶっています。

でも、読んでいくとそのまじめさが面白いのです。

特徴2:体力をがむしゃらにアピール

家族の友達や近所の奥さんなんかがウチを訪れようものなら即座に庭で野球の素振りを開始し、相手がそのブン!・・・ブン!・・・というバットが空気を斬る音に気付いて「お父さん、スゴイですね~」と声をかけてくるまでソレを続けるのだ。

体力自慢は良く出てきますが、それと同じくらいにお酒を飲んでいる場面も出てきます。

体力があるバカが、お酒を飲んで酔っ払ったらこういう事になるんだな。

でもきっと、想像しているより。いや、想像できないくらいの出来事が起こったりしてます。

特徴3:ハンパじゃないお調子者

ケンちゃんと二人でいる時に彼から話しかけられた言葉の総合計時間、20年間で、わずか15分ぐらいなもんだろう
~省略~
オフクロの友達が遊びに来ようものなら、前記の素振りはもちろんのこと、グツグツ煮え立った寄せ鍋の中にわざとレンゲを落とし、ソレを素手で拾ってみたり、意味もなく手刀でダルマを真っ二つにしてみたりするのだ。

これは、家ではほとんど自分に話しかけてこない。というところ。

そして、外ではめっぽう調子が良い。という話。

おそらくブルーベリーの衣装もかつらも、この調子の良さからなんだと思われます。

三代目セージ

ケンちゃんの息子。著者の板谷さんの弟。

男前である。

特徴:なし(あまりにも凄まじいバカのため)

セージは、幼少の頃からバカの片鱗を見せていた。
姉(オレにとっては妹)の飼っていたカナリア、それをシャンプーで洗い殺したのは7歳の時だった。
親戚の結婚式で、新婦に花束を渡したセージが「ボクは将来、何になりたいの?」と司会者に尋ねられ、真顔で「馬!」と答えたのが10歳の時。
ホチキスを借りようとして奴の机の引き出しを開けたら、1段目も2段目も3段目もすべて爆竹だけがギッシリ詰まっていたのが13歳の時。

 

などなど、一部引用して書きました。

紹介しようとしたら全部になってしまいそうで、説明のところだけにしました。

板谷さんとケンちゃんとセージが、偶然同じ時期に免停になり3人で免停講習に行く話。

ケンちゃんの弟「ブカのおじさん」の話。

セージがアメリカに行った話。

ばあさんなのに秀吉という名前の家政婦の話は結構泣けます。泣ける中に笑いがあふれています。

なんかもう、バランスが良く分からなくなってきます。

読みやすいのですぐに読めるんですが、顔がにやけてたと思ったら泣いていたりする自分がいます。

笑いながら、本当なの!!??と疑いたくなるような内容ばかりです。

一緒に載ってる写真も見逃せないです。

私は、この本を行き詰った時に読んでます。

何だか楽観的になれるというか、悩んでるのが馬鹿々々しくなってきます。

そして、第2弾と、第3弾。

三作目は、お母様が亡くなられた後に発見したノート。

闘病日記とともに書いていた板谷家のバカっぷりが記載されています。