心にぐっとくる本

『シンプルに生きる』ということ

こころにぐっとくる本

これは、フランス生まれのドミニック・ローホーさんという方の本です。

フランスはもちろん、世界でも多く翻訳され日本でも30万部以上出ている本なんですが、今まで、そういうことに興味がなかったといいますか。そういうことを考える余裕がなかったといいますか。

あまりにも忙しくてそれが当たり前になっていて、自分の暮らしを「見直す」なんてことはありませんでした。

逆に言うと休みも仕事中心の休みで、仕事しかしていないというシンプルな生活でしたが、読んでみたら根本的に違いました。

シンプルに考える

あることがきっかけで仕事の量を減らしまして。

そうなると、考える時間が増えたんですね。

その頃くらいから、言葉と同じくらい「生活とは何か」「日常とは何か」「人が生きるということとは」ということを考えるようになったと思い返します。

そんな時、ふとこの本を手に取っていました。

その頃の私は、そういうことを求めていたんだろうな。と思いますが。

シンプルに生きるという事は、考え方もシンプルで良いのかもしれない。

今は増えてますが、この方はミニマニストの走りだと言われています。

決して私はミニマニストではありません。ただ共感できることはすごく多いということです。

 

シンプルに生きる

ある有名な写真家が世界中を巡って調査した結果、住民当たりの所有物の数の平均は、モンゴルで300個、日本では6000個だったそうです。あなたの場合はいかがですか?
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実用性のないものは思い切って捨ててしまうこと。古い洋服ダンスを心地よいソファーと交換し、着なくなった服は上質のウール製品に取り換えましょう。

これは、断捨離ですね。

何でもかんでも捨てろというわけではなく、自分には何が必要か見極めろということです。

以前「フランス人は10着しか服を持たない」という本も話題にましたが、確かに日本人に衣装持ちの人は多い気がします。

実際私もそうで、使わない洋服が何年もタンスにか言っている状態です。

以前、何年も使わない洋服をゴミ袋2袋分ほど処分したことがありましたが、何の不自由はありませんし、物に対して執着しなくなったと思います。

そして、執着しないことですごく自分が楽になることが分かりました。

道元禅師の言葉ですが「放てば手に満てり」という言葉があります。

意味は「手放してこそ大切なものが手に入る。執着することを忘れることも大事だ。」ということですが、前回も書きました「求めない」にも通じるところがあります。

 

飛び切り良いものだけに囲まれて生活することを心がけましょう。
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やみくもに「より良いもの」を求める必要はありません。自分にとってしっくりきて長持ちするもの、そしてその使い道に適したものを求めるべきです。
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欲しくてたまらないけれど、値段が高くて手の届かない憧れのソファーがあるとしたら、間に合わせのソファーを「とりあえず」購入するのではなく、貯金をして、時間をかけてでもそのソファーを手に入れましょう。間に合わせのソファーを手に入れてしまえば、結局は自分がその程度のものになじんでしまうことになるからです。
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「法外と思えるほどの高い買い物よりも、度重なるガラクタ買いのほうが、結局は高くつく。」と。

高価なものではないですが、間に合わせで買うものはよくあります。

そういうものでも、自分が気に入ったもの、しっかり選んだものは確かに長持ちしているように思います。

うちは決して裕福ではなく、周りの友達の家よりもお金はなかったと勝手に思っていますが、母によく「貧乏人の銭失い」と聞かされていました。

それは、貧乏でも良いものを買いなさいということだったんですが、今思うと、聞かされていたのに無駄なものはよく買ってしまっているな。と自分の不甲斐なさよ。

でも、今思い出して、心に留めておくだけでも違いますよね。

ミニマニストも初めからミニマニストではないし、そういう経験があってからこそ、知ったからこそ、自分が大切なものが分かるんだと思います。

知って、納得することが大切な行為ではないかと。

すべてが正しいとは思いません。この本を読んでいても、それは私の考えとは違うな。と思うところもあります。

しかし、「なるほど」と共感し納得できるものは取り入れて生活することが個を生み出すんではないかと思います。

私としては、無駄なことにも楽しみがあると思っていますし、無駄なことをしている自分も好きな自分もいます。

ピタゴラスイッチ最高です。(いや、ピタゴラスイッチは無駄じゃないですね)

そして、それは本当に無駄なのかとさえ疑います。

「なにそれ、くだらない」と友人と笑うことも楽しいです。

人それぞれですね。十人十色です。色んな人がいるから世界は面白い。

モノについてだけ触れましたが、本の中には、住まいのこと、お金のことも、食事のこと、人付き合いのことなども書いてあります。

普段は小説を読むことが多いのですが、たまにはこういう本も良いなと思います。

実際、読み終わってから早速掃除をしましたし、そのおかげで気持ちよくなりました。