心にぐっとくる本

やなせたかし名言集【明日をひらく言葉】は自分が優しくなれる本だ!

こころにぐっとくる本

少し前にやなせたかしさんの詩集を読みまくっていましたが、詩集ではなくエッセイもたくさん出てるんですね。今回読んだのは「明日をひらく言葉」という一冊。

やなせさんが書いているいくつかの本の中から、左ページにはエッセイが書かれていて、右ページにはピックアップされた言葉が書かれています。エッセイと右ページの言葉がリンクされて、なんだかぐっときてしまう。

やなせたかし【明日をひらく言葉】

「明日をひらく言葉」は、所々コラムがはさまれていますが、やなせさんが書いたものの中から編集して作れらている、6章からなるエッセイです。

1、愛情と育ち方(ぼくはこんなふうに生きてきた)
2、仕事と運不運(続けていれば、あるとき目の前の席が空く)
3、希望とよろこび(幸福は日常の中にそっとかくれている)
4、正義と善悪(アンパンマンは倒すより助けるヒーロー)
5、子どもと個性(力が足りないなら、ゆっくり走ればいい)
6、いのちと生き方(人生にムダはひとつもない)

幼少の頃の話から始まり、漫画家として売れなかった時代、アンパンマンの話、奥様の事。年を重ねたことの話も面白い。

180ページと少しの本ですが、とにかく読みやすい。

私はあまのじゃくだから、愛とか希望とか頑張れとかという言葉がたまに苦手になってしまいますが、やなせさんの言葉は不思議と素直に受け入れられて、しかも自分が優しくなったようになる。

それはやっぱり、人生の重みなのかなぁ。と思ったり。

いくつか紹介したいと思います。

1、愛情と育ち方の中から

劣等感はまったくくだらない感情です。
こんなもの捨てるにこしたことはない。

「てのひらを太陽に」

弟の方が器量も良く体力もあったというやなせさん。弟は戦地で亡くなっているが、自分は生き残ったという。そんなやなせさんはコンプレックスの塊だったんだそうです。

左ページのエッセイには、こう書かれています。

今になってみると、コンプレックスはくだらない感情だけど、ぼくは運動や遊びの劣等生と、勉強の優等生、どちらも経験した。光と影の両方を知ったことは、ぼくにとって大きな財産となっている。

くだらなくて捨てるに越したことはない「劣等感」ですが、それは財産になっていると。これも経験したからこその言葉ですよね。

「あぁ、そうか」と思ったのは、私の場合はプライドでした。

若い頃に比べて「変なプライドは無い方が良いな」と思う今日この頃ですが、そういう気持ちを経験しているからこそ、いらない気持ちが分かるんだな。と。悲しいとか辛いとかの気持ちもそうだよなぁ。と。

感情の断捨離。

物もそうですが、あったからいらないものが分かるようになる。くだらないけどそれは財産なんだなぁ。と。(。-∀-)

甘くたっていいさ。
甘いのが好きな人もいれるし、
からいのが好きな人もいる

「アンパンマンの遺産」

これは、やなせさんが書く詩についての言葉です。

漫画や詩は「人生を楽しくするために役立つものでありたい」「詩は、心によろこび与えるものでなければならない」というやなせさん。

そんなやなせさんの詩は、「抒情詩(じょじょうし)」といって個人の主観的な感想や思想をあらわしたものなんだそうですが、左ページにはこう書いてありました。

抒情詩は甘ったるいなどと軽蔑されやすいけれど、そういう人に限って、自分の胸奥にある抒情性に気づかないか、抒情性を照れくさがっているのではないだろうか。

あまのじゃくで、愛とか希望とかを少し照れくさく感じるのはそういう事なのか!?と、ハッとしてしまいました。

ドリカムの詩に拒否反応をしてしまう人を「ドリカムアレルギー」というそうですが、西野カナさんとかaikoさんとかの詩も同じように拒否反応を示す人もいるようです。

もはや自分もそう言うところもあり、反対にぐっときて夜中に泣くこともある。そんな感情は恥ずかしくて人に見られたくないと思っているのかも。照れくさいのかもな。

だからつまり、批評や批判を好む人もいれば、愛とか希望を好む人もいる。じゃぁ、愛とか希望を書く。というやなせさんなんですね。

2、仕事と運不運の中から

お金持ちになる
正しい原則は
良心的な
おもしろい仕事をすることです。

「もうひとつのアンパンマン物語」

仕事をするうえで、面白くするためであっても、決して毒を入れなかったというやなせさんの言葉。

ちょっと毒があると面白いと思ってしまう私ですが、ただ、仕事をすることの考え方は「良心的である」と思っていて、だからこそ目にとまってしまった言葉です。

左ページにはこう書いてあります。

収入の少ないときも、この考え方は曲げなかった。そして、いつも自分の好きなこと、自分が描きたいものだけを描いてきた。
「良質な作品では読者がつかない」と言う人がいるが、間違いだ。読者が付かない原因は、ただおもしろくないからである。
良質であることと同時に、「売れるだろうか」ということを常に気にかけてきた。売れないのは、子どもにおもしろいと思ってもらえなかったことであり、作家として非良心的であると、深く反省すべきなのだ。

「良心的」とはなにか。

この場合は作家だから「おもしろい」ということが良心的になるわけですが、仕事ごとで「良心的」というのはそれぞれ違うと思います。

違う仕事でも共通するのは、「その人のためになること」だと私は思ってて、やなせさんの場合は、「人生を楽しくするために役立つもの」「心によろこび与えるもの」。

もちろん、「あたのためにしてますよ」っていうのじゃなくて、自分が面白いと思ってしている仕事で、周りの人が少しでも感動してくれたり、快適に過ごしてくれたりすることだと思ってます。

例えば料理人だったら、自分料理が好きでやっている人もいると思うんですが、自分の好きな料理を作っても「おいしくない」じゃ仕事にならない。

美味しくするためには、お店が繁盛するためには。っていう考え方ですよね。やなせさんがしているのは。そこには「人のために」って思うことって大切だと思うんです。

「売れるためには」はもしかしたら自分のためになってしまいがちですが、相手の事を思うことが良心的な考え方なんじゃないかなぁと思うんです。結果、売れるんだ。

4、正義と善悪の中から

この世は善と悪、
光と陰でできています。
人の心にも善と悪の心があって、
そのバランスがとても大事です。

「絶望の隣は希望です!」「もうひとつのアンパンマン物語」

アンパンマンの中でバイキンマンが作られた裏話が書かれているのですが、アンパンマンというヒーローを際立たせるために悪役であるバイキンマンが登場したんだそうです。

ちなみに、アンパンマンに出てくるバイキンマンは毒ではなく、悪なんだそうです。

ムムム(;’∀’)なるほど。

そして、バイキンマンは敵だけど味方と言う。これが善と悪のバランスなんですね。

バランスについては5章にも書いてありました。

5、子どもと個性の中から

悪人といえども、全部真っ黒の悪人じゃない。
善人にも悪い魂はある、
悪い人にも善良な部分はある、
ただ、悪いやつには悪い分量が多すぎるというだけで、
全部真っ黒じゃない。
善良な人も全部真っ白じゃありません。

「わたしが正義について語るなら」

人間の心の善悪のバランスの問題について書かれていますが、確かにそうなんだよなぁ。と思うところでした。

左ページにはこう書いてあります。

子どもだって同じだ。悩んだり、すねたり、反抗したりしながら成長していく。善だけの純粋すぎる心では、精神的な抵抗もなく、社会に出て生きて行けない。他人の心も理解できないアンバランスな人間になってしまう。

腹が黒くたって悪いわけじゃないのよね。と自分に言い聞かせてます。

まとめ

やなせさんの詩集もすごくいいです。でも、こうやって考えなどが知れるエッセイも良いなぁと思います。本当、不思議なんですが、読んでいると自分の黒い部分が減ってる気がするんですよ。

毒を入れないって、こういうことなのかもしれないな。

良心的な心を持つ、バランスのいい、人になりたい。

そして、アンパンマンミュージアムに行きたい。

夏休みに大人が一人で乗り込んでやろうかしら!

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