ベイビーブルーは短編で、ベイビーブルーのほかに「10年も20年も」も収録されています。
表紙が好きと言う声も聞きますが、私も同じ。見るたびに毎回「レオン」を思い出してしまう。
もちろん「レオン」の方が作品として後なんですが、かわいくて真似したら片桐はいりさんのようになった思い出があります。
※注意:ネタバレあります。
【ベイビーブルー】ざっとしたあらすじ
中学生の晴海は周りの色々な事にイライラしています。大事な犬のぬいぐるみを汚される、冬休みの講習、若い女性の担任教師、そして、かまってくる同級生の男の子。
ばかやろー
好きでもないのに
好きだ好きだゆうんじゃねえよ
自分でもつまらない理由やなぜイライラするのか分からない晴海ですが、ある日友人と買い物に行った雑貨屋である男に出会います。
公園で座っているときにその男とたまたま会うのですが、追っかけていき自分の愚痴をぶちまけます。
ちきしょおっ
文句たれるしかのーのない自分がいちばんあたまくる
あたまわるいのを人のせーにしてる
どーしたら楽になんのかわかんない
あたしはなんにもわかんない・・・
何も言わずに話を聞いてくれた男の働いている雑貨屋に入り浸りますが、その男を自分の可愛がっていた犬のぬいぐるみの名前で呼びます。「梅太郎」。
梅太郎は梅太郎で、会社を首になり恋人にフラれ、クリスマスは一人酒を飲む。
晴海が雑貨屋に来ることで「大人と付き合っている」と噂になり、心配になり訪れてくる担任の女性教師。晴海のことが気になっているのか、雑貨屋にこっそりついてくる同級生の男の子。
まわり みてる?
よくみてる?
梅太郎は雑貨屋を辞めギターを担ぎ上京します。
【ベイビーブルー】の主な登場人物
須藤 晴美 | 主人公の中学生。 |
---|---|
梅太郎 | 雑貨屋の店員。本当は梅太郎じゃなくて「上田」 |
前嶋 志朗 | 晴海のクラスメイト。晴海に気があるのかいつもちょっかいを出している |
三杉 | 担任の女性教師。みっちゃんと呼ばれている |
美潮 | 晴海の中の良いクラスメイト |
晴美はクラスに仲の良い子は何人かいますが、名前が分かるのは美潮だけ。
短編なので名前はそんなに重要じゃないと思いますが、呼ばれる名前やゼッケンで名前が分かります。それを見つけるのもおもしろい。
【ベイビーブルー】を読んで
学生の頃に初めて読んだ時は、後半の「10年も20年も」の方が好きでした。働くようになってたまに読み返すと「ベイビーブルー」の良さが分かる。
学生同士の恋愛もキュンキュンして良いのですが、「アイラブハー」みたいに、子供(学生)と大人っていうのが面白かったりします。
たぶんそれは、自分が大人になって気持ちが少し分かるようになるからなのかもしれないって思います。
ベイビーブルーは「アイラブハー」みたいな恋愛ものではないですが、学生の頃のイライラやちょっとの恋心を思い出させてくれる。
晴海にちょっかいを出す同級生の前嶋 志朗。
晴海が梅太郎の雑貨屋に入り浸るようになると、こっそり外で待ってたりするんです。(漫画の中では「カニの中坊」)
なんか、小学生や中学生のころの恋を思い出すと純粋でかわいかったなってなる。
ベイビーブルーに出てくる梅太郎は何歳か描かれていません。
働いていた会社をクビになり、バンドで上を目指すために上京するのですが、細かい背景は描かれていない。
色々とハッキリ描かれてはいないんですが、学生の頃はちょっと良く分からないな。って思ってました。でも、それがいくえみ綾の良いところだなって、大人になると分かる。
ベイビーブルーを読んで思い出すのは、思春期の頃のイライラ。
何もかもムカつく。ムカついてる自分にもムカつく。ちょっとしたことが気に食わなかったり、先生や親の言葉にイライラしたり、自分でもどうしたら良いのかわからなかったり、昨日とは違う感情だったり。
思春期の細かく揺れ動く、言葉では言い表せないような感情の表現がうまい。
親との関係性も変わってくる年ごろで、そんな中、何も言わずに愚痴を聞いてくれる人がいたらスカッとするよなぁ。って思って読んでました。
友達同士でも言い合うけど、親戚のお兄ちゃんとか、保険の先生とか、言いやすかった。大人の存在ってでかいよなぁ~。って。
そういうのを思い出すと、私もかわいかったな。ってなります。
今も意味なくイライラするけどね。一生反抗期?
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