いくえみ綾の漫画の中でも好きな「ハニバニ」。
ファンタジー、ファンシー、ファンキー?
いくえみ先生の描く少し変わった物語はたまんない。
北海道弁で思い出し読み返しているいくえみ綾ですが、そういやぁ、もう、ほとんど出てきてないな。たまにでてきて「おっ」ってなるなぁ。
※注意:ネタバレあります。
ハニバニ】ざっとしたあらすじ
兎野ちよは、学校一モテる椿に恋をしている。しかし、椿は性格も口も悪く「うす気味わりぃ」とちよは言われてしまう。ある日偶然居合わせた2人の間で大きな光が放ち、椿は謎の宇宙人に体を乗り移られる。ちよはその宇宙人を「心サマ」と呼ぶことに。
心サマは椿とは反対にちよに優しい。椿は椿の体が心サマの時の記憶がない。徐々に融合していく椿の体。一体どうなる・・・。
SFラブコメディというジャンル?らしい。
いくえみ綾が描く学生の恋愛のキュンキュン感はあまりありませんが、チョコチョコ笑えるんですよ。
いや、コメディだからね。笑えるっちゃ笑えるんですが、なんか、私にはツボなんです。
【ハニバニ】主な登場人物
兎野ちよ(うのちよ) | 椿に恋する17歳 |
---|---|
椿心(つばきしん) | 学校一のモテ男17歳 |
心サマ(しんさま) | 椿を容れ物にする宇宙人 |
吉川まどか(よしかわまどか) | 椿のことが好きで、ちよの恋敵(?) |
幸田(こうだ) | 椿とまどかと仲の良いまどかのことを好きな同級生 |
しーちゃん | ちよと仲の良い女の子の双子の一人 |
くーちゃん | ちよと仲の良い女の子の双子のもう一人 |
セリフは少ないんですが、ちよの両親の顔!!見るだけで笑ってしまう( *´艸`)
【ハニバニ】1巻のあらすじ
学校のスーパーアイドル的存在の椿心に憧れている兎野ちよ。椿は背も高くカッコイイが、性格も口も悪く彼女も作らず不特定多数。そんな椿に「うす気味わりぃ」「じゃまだってどけ」などと言われ落ち込むちよ。
ある朝空き地で傷ついた小鳥を見つけ助けようとするのですが、足を滑らせてつぶしてしまう。そこにたまたま居合わせた椿。2人の間で大きな光が放ち椿は気絶してしまう。
気が付いた椿はどこか変。
ワタシが乗った宇宙船が
この星に不時着しました
「容れ物」が必要だった彼は椿の体に。そしてちよは「心サマ」と名付ける。心サマはちよだけが理解者だと度々ベランダから会いに来る。
バスケ部を辞めたという椿に対し
そうか・・・もしかすると
「ケガ」とか「家庭の事情」とか
どーしよーもないことで
大好きなバスケができなくなったのかもしれないだから性格も
あんなにナイフのようになってしまったのかもしれない
・・・・・・ほんとうの椿はちがうのかもしれない・・・・・・
ちなみに私は
少女まんがで育ったので
空想壁がある
と妄想するちよですが、ハニバニの中でなぜか一番心に残る場面で、それはなぜかというと、私もそうだから。
たまに空を見上げる自分だったり、物思いにふけったり、妄想で人のこと考えたり、「わかるわかる!」という共感と、「なるほど」漫画で育ったからなのか。という納得感。
たまに疲れて泣きそうになった時とか、もうどうしていいかわからなくなったときとか、「なんか切ねぇな~」って思った時に、いつもこの場面を思い出して笑ってしまうんです。
私ってば( *´艸`)って。
徐々におかしいと思う椿ですが、何を言っても伝わる気がしないと悩むちよ。「……家に来ない?」と言ったちよに、
………
………
……
親が旅行でも行ったか
という椿。
こういうふとしたセリフも笑えたりしてしまう。
本当のことを言っても信じない椿に、心サマは手紙を書いて証拠写真を同封する。徐々に真実が分かっていく椿。そして、椿とちよの関係を疑う、椿のことが好きなまどか。
「体が融合してきた」という心サマと「何かいる こん中に」と頭を指す椿。「殺されるのはオレじゃないか?」とちよは椿に言われる。
心サマ!
椿を解放してあげて!あたし 心サマといて楽しかった
椿のことが心配なのに
ホントは楽しかったの!だって 現実の椿は
あたしに ちっとも優しくないし!
椿の中味が心サマになればいいって
本気で思ったのあんないじわるな椿なんて・・・
大好きだけど
大嫌いなの~~っ私・・・地球人のつめたい椿が
大嫌いだけど・・・・・・
大好きなの~~・・・・・・
学校のベランダで一人、空に向かって叫ぶちよ。
「青空一人舞台」と書かれているのが、もう、笑っちゃうんですよね。
「一人芝居をぶっこくうのちゃん」って言われてるのもちょっと笑ってしまう。
自分が真剣に何かをしてても、もう一人の自分が「ハニバニ」のちよを思い出してしまうんだよなぁ。
【ハニバニ】2巻のあらすじ
2巻もしょっぱなから笑えます。
心サマを迎えに来た他の宇宙人が、「あ!」って言って帰ってくんです。
帰れない心サマは、ちょっとずつ椿の頭の中を取り込んでいく。椿のことが心配だが心サマのことも好きなちよ。心サマはちよに「自分じゃ決められないので ちよ 決めてください」と言う。
体が動かなくなっていく椿はちよを呼び出す。「マジこえーな・・・死ぬの」と弱気な椿。それでも口が悪く「ムカつくんだよてめー」とか「一生恨んでやる忘れんな」とか。
でも今・・・
気持ちーからちょっと許す
とちよの肩に頭をのせる椿。
この辺はキュンキュンのキュくらいになる。かわいーのです。
そして、椿は死ぬことはありませんでした。
心サマは宇宙に帰り、ちよは振り出しに戻る(?)のです。
しーちゃんとくーちゃんは双子のクラスメイトなんですが、どっちかわからないけど最後の最後で笑えた。いつもクールそうなのにその顔!
【ハニバニ】新書判(昔のやつね。少年・少女コミックに多いサイズ)は全2巻。2巻には「ラブレター」という短編も収録されています。文庫版(ハガキサイズ)は全1巻。
ちなみに、「ラブレター」は「いくえみ綾 THE BEST 2-PREMIUM! 長編セレクション」にも収録されています。
・いくえみ綾【I LOVE HER】キュンキュンが止まらない
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