心にぐっとくる漫画

いくえみ綾【子供の庭】切なくて温かい

心にぐっとくる漫画1

子供の庭を買ったのは、「I LOVE HER」の続編が載ってたから。

なんですが、文庫版を買ったら入ってませんでした(´-ω-`)

ブラコンでマザコンの話ですが、恋愛のキュンキュンみたいなのはあまりないですが、親子物で今読み返すとちょっと泣けます。

※注意:ネタバレありです。

【子供の庭】ざっとしたあらすじ

父と祖母と3人で暮らしている佐穂は中学3年生で、同じクラスの楢崎君に恋をしています。ある日離婚した母が死に、母と一緒に暮らしていた佐穂の兄「麦」が猫と共に家にやってきて一緒に暮らすことになります。
麦は性格も口も悪く、12年ぶりの息子に戸惑い、12年ぶりの兄に戸惑い、12年ぶりの孫に戸惑う3人だった。

父親は漫画家で、担当になった女性編集者の桜井さんのことが気になっています。しかし、佐穂は楢崎と映画を見に行く途中で、麦と桜井さんが会っているのを目撃してしまいます。

母親のことを「あの女」と呼ぶ麦。

麦は自分たちのことを憎んでいるのではないかと思う佐穂。

同級生で幼馴染の布施さんが麦を訪ねてきた時、佐穂に、昔麦が言ったことを言います。

おれ
あの女のなんなんだろう
子どもがいてもしあわせでもなんでもないなら
わざわざつれ出ることはなかったんだ

3回、苗字が変わったという麦。

父親に向かって「借りをつくるのがやなんだ」という麦。

話の中では性格が悪くて口も悪くて、ひねくれてる麦ですが、一番切ねぇ。

子供の頃の佐穂に「さいこんしないの?」と聞かれる父親も、麦に「借りをつくるのがやなんだ」と言われる父親も切ないが、

素直になれないのも、クールなのも、麦がなんだか切ねぇ。

切なくなる漫画だけど、切ないだけじゃなくて温かさもある。

って言うのはやっぱりいくえみ綾なんだなぁ。

【子供の庭】主な登場人物

藤沢 佐穂(ふじさわさほ)中3。主人公
藤沢 弘志(ふじさわひろし)佐穂の父親。漫画家。36歳
宮永 麦(みやながむぎ)佐穂の兄。1つ上。
おババちゃん佐穂の祖母で弘志の母親。
桜井女性編集者で弘志の担当
楢崎 慎一(ならさきしんいち)佐穂の同級生
宮永 志穂子(みやながしほこ)麦と佐穂の母親
布施 香織(ふせかおり)麦の同級生で幼馴染み

「子供の庭」は、佐穂や麦や父親以外に、おババちゃんがすごくかわいいんです。

「じゅうにしちょうかいようってガンですか?」と病院の先生に聞くところもかわいい。

佐穂の父親も「おババちゃん」と呼んでいるのがまたいい。

36歳の父親の母親だから、まだおババちゃんって感じの年齢じゃないだろう。って妄想したり。

楢崎君も照れ屋でかわいい。

布施さんもなんだかイイ女なのです。

一人一人のキャラクターが際立っていて読みごたえがあると思います。

 

【子供の庭】新書判(昔のやつね。少年・少女コミックに多いサイズ)は全2巻、文庫判(ハガキサイズ)は全1巻です。

『P.S I LOVE HER(I LOVE HERの短編の続編)』は、新書判の「子供の庭」2巻に入っています。文庫判には入っていません。